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作品展の感動
おかげさまでマミフラワーデザイン展「花・人・暮」を無事終了させていただくことが
出来ました。皆様応援ありがとうございました。
毎年の作品展でかならず胸を揺り動かすような感動があります。作品展開期中の
作品搬入時。僕はいつもどおり懸命に作品作りに没頭する出品者の皆様の制作風景
を拝見しながら、会場内を徘徊していました。そこである出品者のかたに呼び止めら
れたのです。それはマミフラワーデザインスクールの南荻窪登録教室責任者である
津田先生でした。津田先生は大変勉強熱心なかたで、「ナチュラル・アート・クラス」や
「考花学」でも目をきらきらさせて学んでおられる先生です。
津田先生は開口一番、「このマツをつかっていいものか」と悩んでおられました。聞けば、
先生が作品の素材に選んだ松葉は、正月の門松のものであり、ご当人には「神の宿る
門松を作品にしてしまうのは失礼になってしまうのではないか」との想いがあったの
だそうです。「どうでしょうかね・・・」と問われた僕は一瞬迷いました。でも出来かけた作品
と津田先生の熱意を再確認したとき、僕は津田先生がやろうとしておられることと、気にな
さっていることこそがフラワーデザインの本質なのではないかと思ったんです。
「大自然に、そして植物に敬意を表しながら自分なりにそれをかたちにする・・・。」僕には
このとき津田先生がそんなことをなさりたいのではないかと素直に思えたのです。「先生が
松葉に敬意を払っておられて、それにご自分なりの美をもって感謝の意を表されたいのであれば、
それはとても素晴らしいことだと思うのですが・・・・。」それが僕の精一杯の答えでした。
むかし、門松にするマツの葉や枝を山に切り出しにいくことを一部の地域では“花むかえ”
と呼んだそうです。そう、先人も自然に敬意を表するためにあえて生き物である植物を
素材に造形を行っていたわけです。だとすればフラワーデザインの原点はここにこそある
のかもしれませんね。
そんなわけで津田先生は無事、美しい作品を見事完成されました。彼女の気持ちはまさに
作品のタイトル「神の宿る木」にあますことなく託されていたのです。ひとつの“本当”に触れる
ことのできた僕がちょっとうきうきしていたのは言うまでもありません。
