2009年09月23日(雑記)
keisukeのシネマ・セネバ 『グラン・トリノ』
自動車生産の盛んなアメリカ、ミシガン州。東洋系移民が多く暮らし
はじめた街にひっそりと住む頑固な老人が主人公の『グラン・トリノ』。
妻に先立たれた頑固一徹の男ウォルトにクリント・イーストウッドが扮します。
頑固で不器用な老人を主人公にした映画は数多くあれど、これはまさに味わい
ぶかい名作。朝鮮戦争に出兵したため東洋人に対して複雑な思いを持つウォルト
の閉ざされた心を隣のモン族(東南アジアの少数民族)出身の一家がいつしか
優しく開いてゆくのです。その過程がさりげなく描かれているのですが、その
さりげなさの塩梅が実に心地いい。
人種や風習の壁を越え、いつしか人格同士で触れ合うことの尊さや心地よさを
ウォルトに教えてくれる青年タオの存在が実に印象的。制作と監督とを努めた
イーストウッド氏は『硫黄島からの手紙』からも見て取れるように、東洋の文化に
大きな関心を寄せているようです。
あまり多くを語ってしまうといけないのですが、近年まれに見るほどの
優しさ、辛さ、そして勇気を素直に教えてくれる感動作です。観賞したあと、
しばらく切なく、しかし爽やかな余韻を感じることが出来ました。
